きっかけ
2025年9月13日に茅ヶ崎で開催されたインクルーシブ移動遊園地「ともいきゆうえんち」に参加した際、株式会社ePARAさんより、9月22日、STARTUP STATIONにて開催予定の「バリアフリーeスポーツダイエット交流会」にお誘いいただきました。
イベントで体験するゲームタイトルはリズム&エクササイズゲーム「Fit Boxing 3」ということで、過去Tanysが横浜市立の小学校とコラボし取り組んだ「音戦宅球」の総合授業企画「福祉理解とIT開発体験ができる授業」で小学生たちが考えたアイディアを元に3Dプリンターで制作したラケットコントローラーのように、「音戦宅球」のラケットをFit Boxingと同様のボクシングで球を打ち返せるコントローラーを作れないだろうか?というアイディアが、ふと頭に浮かびました。
そこから「音戦宅球 Fit(仮称w)」制作の挑戦が始まりました!
コントローラー制作の流れ
1. グリップの入手
まずは市販のFit Boxing用グリップを流用しようと考え、Amazonで早速注文しました。
2. M5Stickの取り付けを検討
「音戦宅球」コントローラーの“心臓部”であるM5Stickをどう組み込むか、実機を手にとりながら3Dプリンターを使って試行錯誤しました。
3. ケースの試作
M5Stickを収めるための専用ケースを設計し、3Dプリンターで印刷。
実際にフィッティングを確認しながら調整を重ねました。

4. Switchコントローラー用レールの設計
次にSwitchコントローラーのレール部分を3Dプリントし、フィッティングを検討しました。

5. 握りやすさの追求
レールにM5Stickを仮置きし、実際に握ったときの感覚を確認。ノギスで各部を採寸しながらCADデータを作成しました。

6.微調整と完成
CADデータから出力した部品を組み合わせては試し、合わないところを少しずつ修正。
数回の調整を経て、ようやく完成形にたどり着きました。

コントローラープログラムの修正
もともとは「ラケットを振る加速度」に合わせて動作するように作っていたプログラムを、ボクシングの素振りに適した加速度で反応するように閾値を調整しました。
これにより、実際にパンチを繰り出す感覚に近い体験ができるようになりました。
おわりに
今回の「音戦宅球Fit」の制作は、福祉理解やIT体験を広げる活動の一環として生まれた挑戦です。
ちょっとしたアイデアからスタートし、試行錯誤を重ねることで形になる楽しさを改めて感じました。
「福祉 × IT × eスポーツ」の可能性はまだまだ広がっています。
今後も多くの人が気軽に楽しめるインクルーシブな取り組みを続けていきたいと思います。
フラッシュアイディアをすぐに形にできる、Tanysならではのプロトタイピング力。「こんなことできるかな?」と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください!
投稿者:藤 治仁